あなたは、きっと誰かの光だ。
かつての有名なエピソードで、2007年に日本人記者
がテニス界のレジェンドであるロジャー・フェデラ
ー選手に対し「なぜ日本のテニス界から世界的な選
手が出ないのか」と質問したところ「何言ってる?
日本には国枝がいるじゃないか」と返され、その記
者は自身含めパラスポーツに対する日本人の認識の
低さ、欧米との意識差に気づかされたといいます。
もちろん国枝とは車椅子テニスのレジェンド国枝慎
吾選手のこと。東京2020パラリンピックでも自身3
つ目の金メダル獲得という偉業を成し遂げられまし
た。そんな多くの感動を生んだパラリンピックもつ
いに閉幕。多様性に対する社会の意識変化を感じる
とともにまだまだ未熟な面、問題を浮き彫りにする
良い機会ともなったようですね。
パラリンピックは社会の成熟度を測るバロメーター
と評されることもあるそうです。史上最多164ヵ国
が参加した本大会の開会式を観ると、なるほど。先
進諸国は流石の大選手団!我が日本も過去最多254
人の参加となり社会の成熟、意識の向上を感じさせ
られました。
中には僅か1名~極少数での参加国も…。ソマリア、
シエラレオネ、南スーダンといったアフリカ紛争地
域からの参加国もそうですが、これらの国々は先進
諸国に比べてお世辞にも恵まれた環境ではないと思
われ、不安定な国からパラアスリートとしてここに
至る道程は本当に大変なものと想像します。早く政
情が安定し、かつての日本が歩んできたように大会
を重ねるごとに選手数を増やしていって欲しいもの
です。しかし母国の希望を一身に纏った彼らの姿は
まさしく
「あなたは、きっと誰かの光だ/Share Your Light」
共生社会実現の願いを込めた本大会聖火リレーのコ
ンセプト、これを体現したかのような姿に私は感動
し、賛同した一人です。
営業部 I.S