フェノール樹脂とは?What is phenolic resin
フェノール樹脂は、工業的に生産され始めた
最初の合成樹脂(プラスチック)です。
1872年A.Von Baeyerがフェノール系染料の研究中にフェノールとホルムアルデヒドとが反応し、樹脂状物が出来ることを発見しました。この時には、技術的・工業的な面において興味は持たれませんでした。しかし、1890年ごろ、一般薬品としてホルマリンが容易に入手しやすくなったことにより、研究は活発となりました。
1907年ベルギー系アメリカ人Leo.H.Baekelandの手でフェノール樹脂は工業化されました。
工業的なフェノール樹脂の生産プラントは、1910年5月25日ドイツのベルリンに近いErknerに建設されました。
同年10月10日にBaekelandは、アメリカにGeneral Bakelite Company(後のユニオンカーバイド2001年にダウケミカルに吸収)を設立しました。
これ以来、今日まで木質系複合材料(パーティクルボード、ファイバーボード、合板等)、成形材料、断熱・防音材料(無機・有機繊維マット、発泡体)、積層材、鋳造用、摩擦材、研磨材、塗料、耐火物、その他幅広く実用化され、発展を続けてきました。
その後登場した多くの合成樹脂に置き換えられることなく、新たに開拓された新分野への展開も図られています。このことは、フェノール樹脂の持つ特性、即ち、耐熱性、耐薬品性、不融性、電気絶縁性、経済性等が他の合成樹脂より優れているからです。近年、先端材料の大半を占める炭素材料の原料及び複合材料としても脚光を受けています。